カラダのメモ帳

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立ち上がりで見る体のサイン

昨日、
コアが抜けていることが問題になっているんだろうな、と感じる方のリハビリに伺った。

首や肩のこり。
しゃがみ込んだときの膝の痛み。

動きを見ていると、
体の中心がうまく働いていないような感じがした。

コアがうまく使えているときの動きと、
うまく使えていないときの動き。

その違いって、
案外わかりやすいところに出るなと思う。

日常の中で、
いちばん身近で、
いちばん自然に現れる動き。

それは椅子から立ち上がる動作なんじゃないかな、と私は思っている。

立ち上がるときに、
「よっこいしょ」と掛け声が出たり、
「膝にくるな〜」とか、
「お尻が重いな〜」と感じたり。

そんな瞬間って、
もしかしたらコアのスイッチがオフになっているのかもしれないな、
なんて考えたりする。

「筋力が落ちたのかな」
「運動しないとかな」

そんなふうに思う前に、
体の使い方の方を眺めてみるのも面白いかもしれない。

私は、人の動きを見るとき、
まず座っている姿勢をなんとなく見てしまう。

骨盤が座面に対して、
どんな角度になっているのか。

太ももの骨と骨盤で作られる股関節が、
どんなふうに折れ曲がっているのか。

一見「良い姿勢」に見えても、
太ももの骨に対して骨盤が少し後ろに倒れていることはけっこう多い。

骨盤が後ろに倒れたまま、
背骨や胸をぐっと反らして姿勢を作っている感じ。

そういう体を見ると、
腰や肩がつらくなるのもなんだか想像できる。


骨盤の状態って、
触ると意外とわかりやすい

恥骨と尾てい骨のあたりに手を当ててみる。

そして、骨盤を
前に、後ろに、
ゆらゆらと小さく動かしてみる。

ちょうど、振り子みたいに。

前に傾くと、
恥骨が少し下に落ちる感じがするし、

後ろに傾くと、
尾てい骨の方が下に向く感じがする。

その間を、
ゆらゆらと通っていくと、

「あ、ここかな」

という、
骨盤がすっと立つ場所がある。

その場所が、
私の中では骨盤が直立しているところ。

恥骨と尾てい骨を結んだ面が、
ちょうど座面と向かい合っている感じ。

そこに落ち着くと、
立ち上がる前の準備が整うような気がする。

そこから、
骨盤をほんの少しだけ前に倒してみる。

振り子が後ろへ引かれていくように、
恥骨は少し下へ、
尾てい骨は少し上へ。

すると、
お尻の後ろ側がふっと軽くなる。

座面とお尻のあいだに、
お尻の後ろから手を差し込めそうな
小さなスペースが生まれる。

この感じが出てくると、
股関節がちゃんと折りたたまれて、
体が前へ動き出す準備が整う。

横から見ると、
骨盤から背中、頭の先までが
なんとなく一直線に並ぶ。

リクライニングシートを前に倒したときみたいな形。


ここまで書いていて思うのだけど、
別にずっと骨盤を垂直に保たないといけない、
という話ではない。

ただ、体には
「スイッチが入りやすい位置」みたいなものが
ある気がしている。

お腹にぐっと力を入れなくても、
体の位置関係が整うと、
自然と中心が働き始める感じ。

そのあとで、
骨盤底筋とか腹横筋とか、
いわゆるコアの筋肉が
動きやすくなるのかもしれない。

なんとなくだけど、
体を整えることって、
掃除に少し似ている気がする。

こまめに掃除をしていると、
汚れはたまりにくい。

体も、
ちょっとした姿勢の癖みたいなものが整っていると、
負担がたまりにくいのかもしれない。

そんなことを、
立ち上がる動きを見ながら
ぼんやり考えていた。


お腹のぽっこりと体のコルセット

年齢とともに、筋肉が細く、やわやわになってしまう女性は結構多い。

これまでの運動習慣や運動量。
それに加えて、ホルモンの影響など。

いろんな要因が重なっているのだと思う。

体にはそれぞれ特徴があるけれど、
腰や膝が痛い人には、ある共通点があるなと感じる。

それは、お腹のぽっこり。

痩せている人でも、下腹だけぽっこりしていることがある。

このぽっこりが表しているのは、
コア、つまり体幹のバランスが崩れている状態だと思う。

お腹の中にある臓器たちは、
本来、筋肉の壁の中にしっかり収まっている。

でも、姿勢が崩れると、
張りのあった筋肉の壁がゆるみ、崩れてしまう。

すると、中の臓器がでろーんと広がる。
その結果、下腹のぽっこりにつながる。

イメージとしては、こんな感じ。

段ボールにゴミ袋をかけて、その中に水を入れる。
そうすると、水は段ボールの形にきれいに収まる。

でも、袋だけに水を入れたらどうだろう。

形は保てず、デロンデロンになる。

体も、それと似ている気がする。

体には本来、
「自然のコルセット」と呼ばれるお腹まわりの筋肉が備わっている。

でも、この自然のコルセットがうまく機能していない人が、本当に多い。と思う。

体の中心であるコアが、
袋に入った水のような状態になってしまう。

そうすると、動くたびにその重さが体の負担になる。

逆に、コアがしっかり働いているとどうなるか。

自分の重さをぐっと引き上げているような感覚があって、
腕も、腰も、膝も、軽く感じる。

体は、中心が整うと、
それだけでずいぶん楽になるものだなと思う。

2026.1


キッチンで姿勢を考える

キッチンに立っているとき、
ふと、腰を痛めない立ち方とは?と考えていた。

腰痛は、日々の小さな積み重ねが大きいと思うから。

食器を洗うときは、どうしても下を向く。
中腰にもなりやすい。

腰が痛いと腰に意識が向くけれど、
でも、足元のことにはあまり注意を向けていない気がした。

まず、足幅は拳ひとつ分くらい。
膝は、かくっと軽く曲げる。

曲げるというより、「抜く」感じ。
膝カックンされたときみたいに、力をふっと抜く。

すると、重心が少し下がって、
足の裏で安定する感じがする。

背骨はニュートラルに。

こうして立ってみると、
「あ、足裏の右側に体重が寄っているな」とか、
普段の自分の姿勢に気づける。

左手で食器を持って、
右手でゴシゴシ洗う。

リハビリでは片麻痺の人を見ることも多かったから、
たまにわざと、左右を逆にしてみる。

左手でスポンジを持って、
右手で皿を持つ。

もし右手が使えなくなったら?
そんな想定で洗ってみる。

すると、なんだかすごく変な感じ。

右手はゴシゴシするようにできていて、
左手はお皿をしっかり保つようにできている。

そんなふうに感じるくらい、
互いが普段やらない役割を与えられて戸惑っている。

うーん。

これは、脳みそに良さそうだ。

2026.1


寝相がいい人体が固い?

最近、朝起きたときの体のバキバキ感がすごくて、実は気になっていました。
特に右肩。

布団や枕が合っていないのかな、と思ったり。

でも、ふと気づいたんです。
そういえば最近、仰向けや横向きの姿勢を
「ピシッとアライメントを整えて」寝るようにしていたな、と。

もしかして、それが原因?

寝ている途中でも、姿勢が崩れていることに気づくと、
モソモソと姿勢を直していたし、
それも最近、目が覚めやすい原因だったのかもしれない。

寝るときまで、姿勢をピシッと正そうとする。
それは、かえってよくなかったのかも。

もっと自由に、グデーっと。
体が伸びたいように、動きたいように任せる方が自然なのかもしれない。

横向きは、芋虫みたい。
仰向けになると、足癖も悪い。

でも、とても力が抜けて、
「あぁ、楽〜」と感じた。

そのせいか、今日は起きたときのバキバキ感が、少し和らいだ気がする。

私みたいに、寝るときまで「良い姿勢」に正そうとする人は、
きっとあまり多くないと思う。

でも、朝起きた直後に体の疲れを感じる人は、
もしかしたら「寝相が良すぎる人」なのかもしれないな、と思った。

リハビリの現場でも、よく聞く。

「私、寝相はいいんです」
「姿勢はすごくいいって言われます」

そう、少し誇らしげにおっしゃる人がいる。

でも、その人たちの悩みは、
体が硬いことだったり、
腰や首が痛いことだったりすることが多い。

世間で言う「良い姿勢」は、
背骨がストレートすぎて、自然なカーブがなくなってしまっていることも多い。

そういう人は、背骨をひねる動きが苦手なことも多い。
つまり、寝返りが苦手。

寝相がいい、ということは、
ずっと同じ姿勢を取り続けているという可能性もある。
単に寝返りができていないのかもしれない。

寝返りは、圧を分散したり、
寝ている間に体へ負担をかけないために、自然に起こる動き。

だから、寝相がいい人が朝起きたときに体がバキバキなのは、
なんだか納得がいく。

私はそれを、自分であえてやってしまっていたのかも。

芋虫みたいな姿勢も、
足癖の悪さも、
体が柔軟な証拠なのかもしれない。

巷では、筋トレや美姿勢が正解みたいに言われているけれど。

やっぱり、答えは、
自分の体が知っているんだと思った。

2026.1


コアから歩く

昨日、足をしっかり後ろに引いて、
足裏で地面を押して歩こう、と書いた。

でも正直、
これ、すごく大変だな、思っていたと。

足裏とふくらはぎを、いかに普段使っていないとはいえ、
こんなにきついと、「いいこと」とわかっていてもやっぱり続かない。

そのうち
「いつもの歩きでいいや」
ってなってしまうよな、と。

そんなことを考えていた。

ベンチに座っていたとき
丸くなっていた姿勢を、すっと伸ばしてみた。

その瞬間、背中がぐっと反るのがわかった。
私は、反り腰になりやすい。

そこで、いつも気をつけていることがある。

反り腰になるときの私のイメージは、
柔らかいボールをラッパみたいに、ぶにゅっと挟んだときの感じ。

圧をかけた部分はつぶれるけれど、
圧がかかっていないところは、ぱかっと開くでしょう?

そんなふうに、
背中がぎゅっと縮み、
お腹はぱっかーん、と開いている。

でも、真上から均等に圧をかけたらどうなるだろう。

お腹側も、背中側も、
同じ幅で保たれるはず。

それを、自分の体に落とし込む。

お腹の前と、背中の長さを均等に。
前だけ縮めない。後ろだけ反らない。

そうすると、自然にお腹に力が入る。
芯のある体、という感じになる。

その感覚のまま、歩いてみた。

すると――

今まで「足の裏で押そう」と頑張っていた力が、
頑張らなくても、自然に地面へ伝わる。

足裏で押している、というより、
自然とそこに体重が乗り、
結果として押せている。

あぁ、そうか。

やっぱりコアって大事なんだな、と思った。

お腹の力=コアが入ると、
入るべきところに、入るべき力が自然と伝わっていく。

頑張って末端を動かすのではなく、
中心が整うと、全体が働き出す。

そんな感覚だった。

2026.1


地面を押して歩く

スーパーに向かう道中。

歩きながら、ふと思った。
どれくらいの人が、地面を「蹴って」歩いているだろう。

私的には、蹴るというより、「押す」。
足の裏で、地面を押し出す感覚。

教科書上では、この歩き方がいちばん体に負担が少なく、効率的だと言われている。
でも正直に言うと、私はこの歩き方のほうがずっと疲れる気がする。

とにかく、足の裏とふくらはぎをものすごく使う。
ああ、人間は本来、足の裏とふくらはぎがとても発達している生き物なんだな、と感じる。

この歩き方をすると、確かに膝から上は「ただそこにすっとある」だけでいいような感覚になる。
上半身は軽い。

だけど、足の裏とふくらはぎはしっかり働いている。

無意識にこの歩き方になるには、まだ時間がかかりそうだ。
気づけば、いつもの歩き方に戻ってしまう。

いつもの歩き方はというと――
足の裏はただ床に触れているだけ。
体重は膝で受けている感じがする。

だから長く歩くと、腰が疲れるのだと思う。
神経を研ぎ澄ませていると、体重を受けるたびに衝撃が腰まで響くのがわかる。

股関節も、ほとんど動いていない。
足は前に振り出すけれど、後ろにはぐっと引けていない。

その場だけで見れば、これこそ超・省エネな歩き方にも思える。

でも、私がリハビリで見てきた人たちの多くは、
この“普段の歩き方”の代償を受けているように思う。

腰が痛い。
膝が痛い。
首が痛い。

もし体が「みんな」で構成されたチームだとしたら?

それぞれが役割をまっとうし、調和して動けば、一人ひとりの負担は少なくて済む。
だから持久戦に強い。

でも私たちの普段の動きは、
「あなただけが頑張っている」状態になっていないだろうか。

ほかがサボっているというより、
みんなの個性を活かしきれていない。

本当は、もっと頼れたはずなのに。
気づいた頃には、もう限界。

そんなことが、体の中で起こっているのではないかと想像する。

くどくど長くなったけれど、要するに。

足を股関節からしっかり後ろに引いて、
足の裏で地面を押して歩いてみてほしい。

自然と歩幅が大きくなり、スピードも出る。
いつも使っていない筋肉で歩いている感覚がある。

足の裏とふくらはぎは、きっとすごく疲れる。

でもその疲れは、
いちばん強い筋肉を、ずっと温存しすぎてきた証かもしれない。

これからは、
足の裏とふくらはぎに、ちゃんと活躍の場を与えてあげようと思う。

2026.1